2007年12月5日水曜日

『11時間』ーお腹の赤ちゃんは「人」ではないのですかー 江花優子

ある夫婦が交通事故にあって、奥さんは妊娠8ヶ月。 事故による胎盤早期剥離にて緊急手術、11時間後に胎児死亡。 加害者は、夫婦に対する「業務上過失傷害罪」のみ。赤ちゃんに対するお咎めはなし。
法律上「胎児は人にあらず」という解釈に、とても衝撃を受けました。
医療サイドのミス(薬剤不適投与や帝王切開のミスなど)による裁判は多いけど、交通事故による胎児死亡は症例数も少ないとか。。 そのためか、「胎児は人にあらず」という言葉が慣習化されてしまっているとのこと。 例え医者が、胎児が死亡した原因は交通外傷によるものと明確な診断書を書いても、「過失致死」での立憲は困難な状況なんだそうです。
胎児はいつからヒトなのか。。。発生学的にみると難しいかも知れないけど、、私たちの気持ちからすると、お腹の中にいるとわかった時点でヒトなんじゃないかなぁと思うのです。 法律の壁ってよく聞くけど、本当におかしな話多い気がします 健康で元気に生まれてくるはずだった赤ちゃん。 8ヶ月なら外見もちゃんと普通の赤ちゃんのはず。 その赤ちゃんが交通事故によって亡くなったことがはっきりしているのに、胎児はあくまでも「ヒトではない」と判断する日本の法律に驚きです。

本にも書いてあったけど、凄く憎んでいる人が妊娠していたとして、故意に事故を起こして胎児を殺しても、わざとではないと言えば、その人は「殺人罪」ではないのです。 しかも刑の軽いこと 禁固2年、執行猶予4年。とかそんな程度。

私がもしそんな立場におかれたら、、、想像を絶するあまり考えも及ばないけれど。。。 母親にとっては読むに耐え難い内容だけど、、こんな事実もあるんだなぁと始めて知って、法律が変えられないうちは、知識だけでも持っておく方がいいのかなぁとも思ったりして。 いろいろ考えた1冊でした。



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