2008年7月22日火曜日

『証言 沖縄「集団自決」』  -----慶良間諸島で何が起きたか

歴史修正主義者グループが、慶良間諸島で2泊3日という短期間の聞き取り調査をした後、「集団自決」に軍命はなかったと結論付け、あらゆる歴史教科書や出版物の「集団自決」の記述から軍強制を削除させる「沖縄プロジェクト」を立ち上げたそうです。

その結果、「日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や、集団で「自決」を強いられたものもあった」という表現が、「「集団自決」においこまれたり、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民もあった」という表現に変わったりしたということです。誰がその行為を促したかという主語が曖昧にされました。

沖縄に生まれ育った私。現在35歳。

もちろん戦争経験はないけれど、沖縄戦については他都道府県よりも身近に感じていたとは思います。

小学校の遠足で4年生から6年生の3年間、糸満市の平和記念公園で、当時戦争体験をしたという60代の先生が毎年沖縄戦について語って下さいました。
その頃は、暑い中でどうしてこんな話を聞かなきゃいけないんだろうという気持ちが強くて、「沖縄戦でこんなにも苦しんだ人がいる」という認識はあまりなかったように思います。

もっと沖縄戦について重大に受止めている人もいるかもしれませんが、私のような考えを持つ沖縄の30代も多いのではないでしょうか。
それだけ、戦争という意識は若者にはピンと来ないものだと思います。

沖縄戦を知っているはずのおじい・おばあはいつでも明るいし、アメリカー(米軍)は優しかったよぉと話すこともよくあるので、一方で思い出したくも無いほど苦しい経験をしてきたとは、なかなか及びませんでした。沖縄出身の私がこの程度なのだから、それ以外の戦争を知らない世代はもっと縁遠いものに感じるのではないでしょうか。

5年ほど前だったか、TVで沖縄戦を経験したお年寄りの語りを中心に構成された番組が沖縄で放送されました。

「戦争の記憶はあまりにも辛すぎて語りたくない」という人がほとんどでした。記憶を思い出して一言発するたびに言葉に詰まったり、途中で話をやめてしまう人もいました。

戦時中、沖縄の人にとって敵は米軍だけではなく日本軍も含まれていたのです。
「米軍に捕虜になったら女は強姦された後殺される、男は戦車にひかれて殺される」という概念を植えつけられ、敵が上陸したら自決するようにと手榴弾を与えられたとのことです。
そればかりか、「玉砕場」という場所があり、住民をそこへ集団で非難させて自決をせまるということもされたと語っています。
一家族が一塊となって手榴弾を使って自決する。それでも死ねないときはなたなどを使って、お互いで殺しあう。

そんな記憶を語りたくないのは当然ですよね。

もう60年以上前のことになってしまっても、薄れる記憶とそうでない記憶があると思います。

沖縄で「県民大会」が行われ、県外メディアが「集団自決」の問題を報道し始めたのは2007年以降のことなんだそうです。
なぜ沖縄の人がこれほど怒り声を上げているのかということよりも、沖縄で「騒動」が起きているということ中心の報道だったといいます。

私自身がおばあから戦争体験を聞いてみたいと思うようになったのも最近、予想以上の悲惨さを知ったのも最近、なさけない限りです。

自分の手で家族を殺してしまった人もいるし、目の前で家族や大切な人を失った人もいるでしょう。その人たちは、辛い記憶を避けて一生懸命生きてきたのです。
その方たちは今、高齢になってきています。つまり、その人たちが伝えなければ実体験を知る人がだんだんいなくなってしまいます。

積極的に語って欲しいとは思いません。
本を読んでいるだけで私もかなり苦しかった。
私の苦しみなんて所詮小さなものなんだと思います。

ただ、その人たちの苦しい記憶を抹殺してしまうようなことだけはやめて欲しいと思います。

日本軍が憎いという気持ちではなく、戦争ではみんなが異常な状態になってしまうのだという恐ろしさを伝えることが政府の役割だと思います。

拙い文章になってしまいましたが、久しぶりに行った図書館で見つけた本の内容を多くの人にも知って欲しいなぁという気持ちで日記に書いてみました。

2008年4月22日火曜日

『食品の裏側』 みんな大好きな食品添加物 安部 司

こう見えて、安全な食への追求は強い方です。
まあ。チビ助が生まれてから変わったので、ほんの数年前からですが(笑) 

作者は、大学で科学を専攻し、添加物商社に入社。セールスマンとして5、6人分を1人で売り上げ、添加物開発で特許を取ったこともある方。
そんな作者に転機が訪れたのが、娘の3歳の誕生日。
普段忙しい彼はほとんど家に帰ることがありませんでした。
久しぶりの我が家で、誕生会のご馳走と一緒に並んだミートボール。
それは紛れもなく自分が開発したヒット商品でした。
。。。。廃材寸前の牛肉に20種類以上の添加物を加えて出来上がったミートボール。
作者は一晩悩んだ末、会社に辞表を提出したそうです。

添加物を組み合わせれば何でも出来る。
白い粉をいくつも混ぜ合わせて、おいしいスープを作ることが出来る。
たとえそこに本物が存在しなくても、いくらでもそんなマジックのようなことが起こるのだそうです。例えばラーメンなどのとんこつ、みそ、しょうゆ味など。
そして、そのような商品は、安くておいしいので、主婦の手間を省くという利点も手伝ってかなり売れているということでした。

作者は食品添加物を頭から否定はしていません。
ただ知識を持って食を選んで欲しいと伝えています。
手間のかかる食品を5分あたためるだけで出来上がり、そんな恩恵も私たちは受けているのです。

この本を読んでから、ますますスーパー滞在時間が増えました(笑)
裏面の添加物群を見ると、なるほどいろんなものが使われています。
知らずに使うのと、知っていて使うのとでは全然違うなという感想です。消費者が、「ここまでなら大丈夫」とコントロール出来るから。

添加物が危険だという認識は曖昧です。
あるひとつの添加物に対して国の基準がここまでという線が引かれていても、複数の添加物が組み合わさって起こる害についてはほとんど調査されていないのが実態。
日本は世界的にみても添加物使用量の多い国なんだとか。
他の国からは、たくさんの添加物を接種する日本人は人体実験のような目でみられているようです。

素材の持つ「うまみ」ではなく、人工的に作られた味をそのものの味と感じてしまう。
わが子にはそうであってほしくないと思います。
しかし、私も食品添加物まみれで育ってきたひとり。
どこまでチビ助に伝えられるかわかりませんが、この本を更なるきっかけにして、またこだわりが増えました。

2008年4月8日火曜日

『むし歯ってみがけばとまるんだヨ―削って詰めるなんてもったいない! 』 岡田 弥生

目からウロコの1冊でした。
今まで、こういう本にどうして出会えなかったのかしらって感じ。

育児をしているお母さん、ぜひ読んでください☆

旦那のお父さんの部屋で見つけて借りました。
ぜひ自分でも買おうと思った1冊。

作者は東京都杉並区の乳幼児歯科健診を担当して20年になる方だそうです。
もともとは大学病院で勤務していたようですが、もっと近くで患者をみたいということで検診医になったそうです。

常々、「むし歯」って何だかよくわからないと思っていました。
毎日歯磨きしていても、知らないうちにむし歯になっているかもしれない恐怖(笑)
チビ助がある日突然「歯が痛い」と言ったらどうしようと心配で心配で。

でも、この本を読んで、「大丈夫」と思えるようになりました。

歯にはむし歯になりやすい部位とそうでない部位があって、子供の場合、そのポイントを抑えていれば、たとえ初期のむし歯を見つけても、削らずに進行を止めることが出来るのだそうです。

作者自身、大きな病院で働いていた頃は、「早期発見早期治療」でむし歯を見つけたら削ってしまっていたと反省していました。

世の中で言われている「おっぱいを続けているとむし歯になる」に対して、「むし歯ごときでおっぱいをやめるのはもったいない」とコメントしています。ちなみにチビ助は今でもおっぱい中←ついでにむし歯ゼロ ^^

そして「フッ素」。
使わなくてもむし歯は防げるとのこと。
返って再石灰化を促して歯が黒ずんでしまうこともあるので、歯ブラシだけでも十分とコメントしています。柔らかい歯でもむし歯にはならない子も多いそうです。
実は私もフッ素塗布には疑問のひとりでした。←チビ助には塗布していません
すっきり解決です

他にもいろんな興味深いことが書かれていて、つわりを忘れて読んでしまいました

大人でも楽しく読めるので、ぜひ読んでみて下さいね~♪


2008年2月19日火曜日

『明鏡国語辞典』の編者だそうです。



この本は、『明鏡国語辞典』の編集委員の何人かが、最近使われる日本語の「ここがおかしいのでは?」という質問に回答する形で書かれています。

正しい日本語は、日本人でありながらかなり苦手。
みなさんはどうでしょうか??

尊敬語、謙譲語、連用修飾、連体修飾、、、、ああああ。
ワカラナイ。。。

読み流すことの出来ない本でしたが、かといって頭にしっかり入ったかというとそういうこともなく、読みながら感心・関心。
何度も読み込んで深みを増す一冊だと思います。

この本を読んで、これまで悩んでいたことがひとつ解けました!!

「味わう」

これを否定的に使おうとしたとき、「味わわない」??「味あわない」??で随分考え込んだものです。

正解は「味わわない」舌をかみそうでした(笑)

こんな感じで、ふむふむナルホドということが多くありました。
何気に使っている言葉の中にも誤用があったりして、、、、「なにげに」は誤用なんですよ。

正しい日本語とまではいかないまでも、人前で恥ずかしくない日本語を使いたいものです。

2008年2月16日土曜日

『大人になるための、社会科入門』 乙武洋匡

乙武さんの新刊を見つけたので読んでみました。

大学在学中に『五体不満足』を出版した乙武さん。
2007年4月から「杉並区立杉並第四小学校の先生」として働いているそうです。

この本は、「パピルス」という雑誌に、乙武さんがあるテーマについて語り、全12回で綴った連載がまとめられています。
1「ニート」2「愛国心」3「環境」4「お金」5「平和」6「性同一性障害」7「オタク」8「スポーツ文化」9「ボランティア」10「ペット」11「結婚」12「教育」。
社会人になってもまだ自分自身のことで精一杯、「これで社会人と言えるのか」という気持ちから書いてみようと思ったようです。なるほど。


各回、そのテーマの専門家(本にはそう説明されています)にお話を伺い、乙武さんのコメントとともに載せられています。

乙武さんの感性は凄いなぁと相変わらず関心しながら読みました。

各テーマの中で、私と意見が異なる部分もいくつかありました。
普段の私なら、「ちぇっ、つまんね~」って止めてしまうところですが、さすが乙武さん。文章の中に読者を引き込む能力に長けていらっしゃる☆
「ふむふむ。乙武さんはこう感じたのか。私は、、」という具合に、本の中で意見交換をしているような感覚を覚えました。

最後の12「教育」では、なぜ小学校の教師になりたかったのかという思いが綴られています。以前、『だから、僕は学校へ行く!』を読んでいたので、教師を目指していた時と変わらない熱い思いで先生してるんだなぁと感動。

目指しているものになれた時、あれっ私がやりたかったのはこんなんじゃないと肩透かしを食らったような感覚に襲われることないですか??私はありました(笑)
彼なりの葛藤はあったと思いますが、本文からは更に熱い思いを抱いて教職についているようにみえました。それはきっと、しっかりとしたビジョンが彼の中にあったからなんでしょうね。

乙武さんの文章を読んでいると、「ああ。私もがんばらないと。」という気持ちになります。
みなさんもぜひ読んでみて下さぁい♪

2008年2月14日木曜日

『BM(ボディメンテナンス)ストレッチダイエット』 饗庭秀直

私が活用している本に、前回紹介した『超ラクラク「1分間BMストレッチ」ダイエット』があります。
何年か前にTVで「スパスパ人間学」という番組をやっていたの知ってますか??その時、監修をしたのが饗庭秀直さん。
わりと効果があるので饗庭さんの本よく活用しています^^

今回、ダイエットにあたり、『BM(ボディメンテナンス)ストレッチダイエット』買っちゃいました
もともとストレッチオタクな私。←油断すると体脂肪が増えるので手放せない(笑)
DVDもついてていい感じです。
「1分間、、」に比して、若干運動強度が上がっている印象ですが、簡単なものだけチョイスしています♪

ダイエットを意識し始めて約2週間くらい。
体重落ちてきましたよ。
体脂肪は手強いです;;

それでも徐々にいい感じの体調になってきたので、新しく購入した本のストレッチも取り入れてますますがんばるぞ☆

2008年2月10日日曜日

『この子がいる、しあわせーわが子の障害を抱きしめて』 松兼 功

障害児を持つ女性4人に、作者が話を聞いてまとめた本。

作者自身も、脳性小児麻痺で「アテトーゼ型四肢麻痺」を持つ重度の障害を抱えた方で、1983年、麻痺のある四肢は使えないため鼻先でワープロを打って執筆活動を始められたそうです。

この本を読んでみようと思ったきっかけは、チビ助の自我が芽生えてきて「これは成長の過程」と思いつつもチビにイライラする機会が増えてきたから。
「障害児を持つ母親はどんなふうにがんばっているんだろう」という興味本位な理由からでした


「わが子に障害がないからかわいい」わけではないけれど、やはり障害がない方が幸せかも知れないと思っていました。
本文に出来くる女性たちの話を聞いて、そんな単純な話ではないなぁと改めて自分の未熟さを思い知らされた一冊でした。

自閉症を持つ母親の話しのなかで、ある児童学園に入ったとき、園長さんが、一日自分の子以外の子の面倒をみる日というのを作ったそうです。
そのなかで母親が感じたことは、「人の子だと待てるんですよね。自分の子供だとどうしてもイライラしてしまう。」ということでした。
確かに、急いでても急いでなくても、「早く食べてしまいなさい」とか「早く着替えなさい」とか「早く寝なさい」とか、ついついあせって結果イライラしてしまうこと多いんですよね。
他の子がのんびり何をしていても、ほほえましく見てたりするのに(笑)
そういう発想の転換で、自分のイライラする気持ちを切り替えることが出来るんだと、どうしてこんな簡単な事に今まで気づかなかったのかしらという思いがしました。

人生は何が起こるかわからないし、もしかしたら障害を抱えた子の母親になるかもしれない。その可能性が否定できないこと、そして、私がそんな立場に置かれたときに、どんなふうにもがきながら日常を過ごすことが出来るだろうと考えました。

本に出てくる女性たちは、「前向きにあきらめる」ことをしてきたと作者は書いています。つまり、障害をないものとして「普通の子」に近づける努力をしてきたけど、それはこの子にとって苦痛である場合が多く、ありのままのわが子を受止めていることにはなっていない、ということらしいです。
歩けない障害があった場合、厳しい訓練を続ければいつか歩けるようになるかも知れないと母親はがんばるけれど、その訓練が子供にとっては苦痛で成果もそれほどない場合、親の自己満足以外何者でもない等。それならば、その訓練をやめて、親子とも生き生きするもしくは楽しくなることをやった方がいいのではないかという境地に達するそうです。
もちろんその境地に達するには何年もかかっていますが、自分だったらそんな気持ちになれるかしらと「尊敬」という言葉が浮かびました。

当事者にならない限り深いところで彼女たちの気持ちを理解することは出来ないだろうし、人はそれぞれの人生背景を踏まえて感じたり行動したりするから、全く同じ気持ちを共有することは出来ないと思うけれど、それぞれの母親の経験を読んで、私ももっと力を抜いてチビと向き合って行きたいと思いました。


2008年1月30日水曜日

『女性のからだの整体法』 野村奈央

ストレッチの話に続き、「整体」の話。

「整体」からみると、生理は子宮のお掃除ということで、毎月からだを調整するチャンスなんだそうです。
骨盤の弾力性を取り戻して、更年期に備えたり、日々の体調を整えようというもの。
女性の生理に合わせた整体法、季節ごとの体のメンテナンスのやり方が書かれています。

この本も、面倒くさがりな私にうってつけの簡単な運動しか紹介していません(笑)


わりとダイエットオタクの私。
以前マイクロダイエットにはまって、ボリューム不足・コスト高というひさんな目に遭いました(笑)
いろんな反省をいかして目指すは、楽して健康・楽してダイエット・楽して、楽して、、、にこだわる私

私がダイエットをする目的は、単純に「やせたい」が第1目標ではありません。
内面から健康美人になりたいのです。
体重増加と体調不良がセットになって付いてくるので。

『超ラクラク「1分間BMストレッチ」ダイエット』  饗庭秀直

最近、チビ助のおっぱいの回数も減り、私の体重・体脂肪が急上昇してきた。
運動というほどの運動をすることもなく、日課だったストレッチもサボりがち。
「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせてきたけれど、そろそろ限界★

ということで、愛読書を引っ張り出してきたので紹介します。

効果的なストレッチをして太りにくい体をつくりましょうというもの。
食事制限や激しい運動によるダイエットは確かに体重を落とせますが、逆に太りやすい体質を作ってしまったり、栄養のバランスが難しかったり、何より長続きしなかったりと苦痛を伴うもの。

面倒くさがりな私にぴったりのこの本を見つけた時のうれしさったら(笑)
ちなみに、話題のブートキャンプは観ただけで吐きそうになりました。


効果はすぐには出ませんが、じわじわ効いて来ます。
肩こり・腰痛も一緒に解決してくれるのでお勧めですよ。

興味がある方はチェックしてみて下さい。
ちなみに、DVD付なども出版しているようで、今後チェックしてみようかなと思っています。

2008年1月18日金曜日

『アルジャーノンに花束を』 ダニエル・キイス 小尾芙佐訳

何度も読み返した本なのに、何度読んでも涙が出てしまう。
一度読んだことがある人も多いのではないでしょうか?

最後の一文でこれだけ感動させられる本は滅多にないと改めて感じました。

精神薄弱者のチャーリー・ゴードン、天才ねずみのアルジャーノン。

チャーリーは頭が良くなりたいと望み、脳の手術を受けます。
次第に効果が現れ、以前のチャーリーではなくなり天才と言われるようになります。
それは、チャーリーが友達を失い孤独になる変化でもありました。

先に手術を受けたアルジャーノンに起こる変化。
チャーリーはいずれは自分にも起こる変化と知り、そのことに怯えながら抗いながら過ごします。


優しい気持ちになりたい時、私はこの本を読みます。

自分にとって大切なこととは何だろうと考えますが、なかなか答えは見つからない。でも、そういうことを考えながら過ごすことが大事なのかなぁと思いました。

次回、『アルジャーノンに花束を』を読むときに、自分がどんなことを感じるのか楽しみです。

ぜひ読んでみてください。
読んだことがある人も、読み返してみてくださいね。

2008年1月16日水曜日

『産んではいけない!』少子化なんてくそくらえ  楠木ぽとす

子供を産んで見えてくる現実というのがあると思います。

作者も子供を産んでその大変さを知り、世の中ではこの大変さを教えてくれる人はいなかった、だから私が本にして伝えたいという主旨で執筆したようです。

私は、自分の子供が生まれるまで、親戚の子や姉の子、友人の子など、数時間接するだけでこんなに疲れるのに、それがずっと続くなんて、、、と思っていました。

ちび助が産まれてから一転。
大変なこともたくさん、イライラすることもたくさん、、、確かにそうなんだけど、子供の笑顔やすやすや寝ている顔を見ていると、一気に疲れもぶっ飛んでしまう。
子育てみたいなこんな楽しいコトが世の中にあるんだ!!と目からウロコ状態。
こんなに幸せなことはみんなにも経験して欲しいと思うようになりました。←本当に不思議な変化です(笑)

だから、この本を手にして序文を読んだとき、当たり前だけどこんな人もいるんだなぁと思って、読んでみることにしました。

親になる大変さを切々とつづっています。
共感する部分もあり笑えたり、我が子に対してそんな憎しみに似た感情まで抱くんだとびっくりしたり。
基本的に、「子供の世話をさせられている、母親というのは大変なんだ。それを知らずして軽い気持ちで子供なんぞ産むんじゃない!」ということのようです。

子育てに関してではありませんが、実は私も、陣痛のしんどさや痛さをどうしてもっと切実に教えてくれる人がいなかったんだろうと思ったことがあります。
あんなに通い詰めた産婦人科の助産師さんで出産を経験している人でさえ、「陣痛が来たらわかりますよ」程度。私はのたうち回る程痛かったそしてその痛みを経験する頃にはもう後戻りは出来ない状態なんです(笑)

作者もきっと子育てに関して、その違和感を自分の感じるままに、どうにかして伝えたいと思ったのでしょう。

「子供はかわいい。欲しいな。」と思っている人で、実際に妊娠・出産を経験していない人。
一度読んで覚悟を決めるのも良いかもしれません(笑)

この本を読んで感じたこと。

一、妊娠・出産を望みながらそれが叶わず苦しんでいる人もいるのに、そこに配慮がないなぁと思った。

一、せっかく産まれたのに、そんな愚痴愚痴言う神経が知れない可哀想な人だなぁという気持ち。

一、私が陣痛の時に感じた「教えてくれよぉ」を伝えようとした姿勢に賛同。

一、何だかんだ結局、自分が経験しないと、「善」「悪」のコメントは
出来ないんじゃないかしら。もしかしたら、作者にも子育ての大変さを語る人が周りにいたかも知れないけど、聞き流してたのかも知れないですしね~。

2008年1月13日日曜日

『がばいばあちゃんの幸せのトランク』 島田洋七

『がばいばあちゃん』シリーズで第3弾だそうです。
『佐賀のがばいばあちゃん』から立て続けに読みましたが、『佐賀のがばいばあちゃん』で終わっておけば良かったのに、という感想です。

おばあちゃんの言葉には感動したりうなづいたりしますが、島田洋七の話が宜しくない.....。
自分の汚点を「芸人だから」だの「できた嫁だ」など、何を良いようにまとめきってるんだという感じ、かしら。
せっかくのばあちゃんの言葉が色あせてしまう。。。

2008年1月11日金曜日

『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七

「がばい」とは「すごい」という意味だそうです。

島田洋七が家庭の事情で、小学校2年生から中学校3年生の頃まで、佐賀のおばあちゃんに預けられた時の話。
貧乏ながら、たくましく明るく生きているおばあちゃん。

がばいばあちゃんの語録、心に染みたりおもしろかったり。
これは長年の経験が生み出すものなのでしょうか。
ささいなひと言に重みを感じて、感動する場面がいくつもありました。

島田洋七って「B&B」ってことしか知らないし、しかも漫才がどんなんだったかも覚えていない。
若い子は知らない人も多いのではないでしょうか。
母親と離れて暮らしていたのはかわいそうだったけど、こんなおばあちゃんと過ごす時間があったことが人生に良い影響を与えているんじゃないかなぁと思いました。

おばあちゃんはいつの時代もすごいものだというのが持論です^^

2008年1月10日木曜日

『亡国のイージス』 福井晴敏

映画化もされました。
配役は、真田広之、寺尾聰、中井貴一などなど、そうそうたるメンバーです。

映画は観ていませんが、読んだ本が映画化されると、「あれ、何だか違うわ」的にがっかりすることが多いんですよね。
でも、配役を見る限り、観てみたい気持ちになります。
どなたか、映画を観た人いませんか??ぜひ感想をお寄せ下さい

映画化されるにあたり、自衛隊に協力要請があったそうです。
国防に関することだし、自衛隊の幹部が叛乱を起こすという内容から、初めはお断りされたそうですが。
時の防衛庁長官、石破茂。
『亡国のイージス』は読んだことがあったそうで、部下に対して「お前はこの本を読みもしないで断ったのか」という話になり、ついには協力することになったといういきさつがあるそうです。←『国防』石破茂著に書かれていました^^
本に登場する防衛庁長官は、やや無能な男で描かれているのに、石破さん、すばらしいです(笑)

内容は、、
海上自衛隊の艦長が、ダイスという国の機関に息子を暗殺されて、復讐を誓うというもの。
「辺野古ディストラクション」なる架空の事件を題材にして、北朝鮮の工作員が米国が隠蔽しようとする危険物を手に入れたことで、艦長と手を組んで、世の中に混沌を巻き起こそうというもの。
、、、大まかにそんな感じかなぁ。←大雑把過ぎ?

マニアックじゃないと書けない話だなぁと妙に感心しました。
内容的には、専門用語が多いわりに読みやすくて面白かったです。

男の人が読んだら、軍艦とか出てくるしワクワクするのかも。
艦長が父親なので、その立場に立って「自分だったら」と考えることがあるかも知れません。
私は母親の立場から、感動する場面がありました。

もともこもない言い方ですが、私の拙い感想よりも、一度読んでみてください(笑)
長編作で読むのに時間がかかりましたが。

『本当は恐ろしいグリム童話』  桐生 操

グリム童話、、、ディズニーでもキャラクターになってるのに。
恐ろしいといえば恐ろしい。
、、、というより気持ち悪い。

ヤーコプとヴィルヘルムというグリム兄弟が初版を1812年クリスマスに発刊した『グリム童話』。
当時の時代背景も関係しているようですが、初版はえぐい内容だったらしい。それが「母親がこれらの物語を無垢な娘に顔を赤らめずに話してやれようか」という批判を受けて、版を重ねるごとに相当の手が加えられたとか。
日本に伝わる頃には、素敵な童話集に変身していたというわけです(笑)

『白雪姫』『青髭』『シンデレラ』、、どれもこれも聞いたことがあるものばかりではないでしょうか??
私が知りうる限り、残忍で冷酷な中にもどこか救いがあり、ハッピーエンドさえ用意されている、そのような内容でした。
さて、初版では??
近親相姦、殺戮、虐待、、、これを子供向けに書いたのか!!
国も違えば時代も違う。
そうなると、こうなるのか!!という感想です(笑)←何なんだそれは(笑)

綺麗な物語のまま記憶しておきたい方は読まない方がいいでしょう。
興味があるかたは、ぜひ恐ろしいグリムの世界へ。ふふふfff。

2008年1月3日木曜日

『人間の幸福』 宮本輝

宮本輝のアクが強い作品。
強すぎて、宮本輝好きの私にも、あまりお薦めの本ではありません(笑)

内容は、主人公の住んでいるアパートの近隣で起こった殺人事件に発端します。
白昼堂々バットで殴られるという事件でありながらなかなか犯人がつかまらず、アパートに住む人それぞれが犯人の可能性があり、疑われることで歪んだ人格が浮き彫りにされていく主人公。
アパートの住人とそれを取り巻く人たちの生活をのぞき見る形で展開されていきます。

宮本輝の登場人物はどこか憎めなくて、最後には、まあまあさわやかな解決策を打ち出してくれるのですが、この本にはそれがない(笑)
「なんだこいつうっとうしいなぁ」的な印象を消し去ることが出来ずに終わっています。

ある程度、宮本輝作品を読んで後、こんな作品もあるんだなぁという感じで読んで頂きたい一冊。
しょっぱなこの本を読んでしまうと、宮本輝のアクの強さばかりを感じて嫌いになってしまうかもしれませんので。



本のイメージがありませんでした。表紙は「婚礼の踊り」というブリューゲルの絵画です。