宮本輝のアクが強い作品。
強すぎて、宮本輝好きの私にも、あまりお薦めの本ではありません(笑)
内容は、主人公の住んでいるアパートの近隣で起こった殺人事件に発端します。
白昼堂々バットで殴られるという事件でありながらなかなか犯人がつかまらず、アパートに住む人それぞれが犯人の可能性があり、疑われることで歪んだ人格が浮き彫りにされていく主人公。
アパートの住人とそれを取り巻く人たちの生活をのぞき見る形で展開されていきます。
宮本輝の登場人物はどこか憎めなくて、最後には、まあまあさわやかな解決策を打ち出してくれるのですが、この本にはそれがない(笑)
「なんだこいつうっとうしいなぁ」的な印象を消し去ることが出来ずに終わっています。
ある程度、宮本輝作品を読んで後、こんな作品もあるんだなぁという感じで読んで頂きたい一冊。
しょっぱなこの本を読んでしまうと、宮本輝のアクの強さばかりを感じて嫌いになってしまうかもしれませんので。
本のイメージがありませんでした。表紙は「婚礼の踊り」というブリューゲルの絵画です。
2008年1月3日木曜日
『人間の幸福』 宮本輝
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